もともと動物が持っている能力
体の気になるところ、具合の悪いところに、自然と手を持っていくことは、私たちも今までに無意識にしてきたことですね。
元気のない人の肩や背中に、自然と手が行って励まそうとする人もいると思います。
その「手」は、何をしようとしたのか考えたことがありますか?
サルなどの動物はグルーミングしたり、猫や牛などの動物も舌で自分や子ネコ、仔牛をなめたりします。こうしたグルーミングやリッキング行為は、動物として、もともと自然なこと。そして、きちんと理由があるんです。
グルーミングにも、自分にする「セルフグルーミング」と相手にする「社会的グルーミング」があります。
グルーミングはストレス緩和、絆・信頼をつくる
「セルフグルーミング」は、毛づくろいや、自分の体の衛生のためにしていますが、
「社会的グルーミング」は緊張やストレスを緩和するので、紛争の解決、社会的な絆と信頼を形成することにも役立っているのです。
ウシの場合は母親が子牛の体を舐めますが、グルーミングされた仔牛側には体の手入れだけでなく、緊張緩和やストレス軽減の効果も。
また、家畜は信頼できる人間にも愛情の印としてグルーミングしようとするそうです。
よくグルーミングされながら、気持ちよさそうに寝ているサルを見たことがありますよね。信頼関係が築かれている証拠ですね。